当社から海外向けのインターネット広告を導入していただき、ビジネスが成功した事例をご紹介します。

スキー場1

(写真はイメージ。この事例の対象のスキー場ではありません)

スキー場のホテル:予算100万円

スキー場のあるホテルの事例のご紹介です。

このホテルのオーナーは、テレビなどで北海道のニセコに海外からの観光客が殺到して、街全体が繁栄しているという報道を見て苦々しく思っていました。

「うちのスキー場のほうが雪質もいいし、いいサービスができるのに!!!」

このホテルでは、当時少しずつ増えてきた海外からのスキー客のために、日本の大学に留学している大学生を中心にスタッフを揃え、館内の英語での対応などに力を入れてきたのですが、テレビで報道されるニセコのように多くの訪日客を集めるまでには至っていませんでした。

このホテルにとっては、訪日スキー客は、日本のお客さまよりもありがたいのでした。

  • 客単価が高い
    日本人の滞在は1泊かせいぜい2泊くらいがほとんどで、長期滞在してくれるお客さまは少ない。それに対し、海外からのお客さまは平均滞在泊数5泊から10泊と長い。
  • 客層が良い
    日本のお客さまは若い。結婚してお子さんができると、スノーボードやスキーをやらなくなってしまう事が多い。独身者が旅に出た開放感からか、酔っ払って大騒ぎしたり、部屋をゴミだらけにしてチェックアウトしたりするなどの傾向がある。
    海外からのお客さまは概してお行儀が良く、慣れないお箸を使っての食事にも積極的にトライしたり、全裸で他人といっしょの大浴場での入浴という、西洋にはなかなかない日本の風習も楽しんでくれたりする。日本の若い人に人気のない和室での雑魚寝という古い日本のスタイルも逆に楽しんでくれるお客さまが多い。

なんとか海外のお客さんに当ホテルを知ってもらい、来ていただきたい!
しかし、一ホテルです。予算がありません。これまで実施していた日本のスキー雑誌やスキーのムック本への広告出稿を差し止めました。国内の旅行代理店に送っていたA4 三つ折のパンフレットも、今年はやめました。これで捻出したのが100万円。これが全てです。当社の手数料を引くと、大した出稿はできません。でも、これがこの当時のこのホテルの精一杯だったのです。この金額でやるしかありません。
そこで「100万円で海外からのお客さまを増やしたい」と当社にお問合せいただき、当社はインターネット広告、特に「リスティング広告」と言われているGoogleの広告の実施をお勧めしたのです。

お問合せがあってすぐに、当社の担当者は現地をご訪問し、どんなホテルなのかを自ら体感しました。そのうえで、作戦会議を行いました。

まずはリンク先となる自社サイトを見直す

インターネット広告にはリンク先が必要です。みんなによく知られている商品/サービスなら「ランディングページ」を特別に作ってそこでいきなり購入してもらうことも可能ですが、ホテルは、よほど店舗数が多くない限り自社で決済システムまで用意してその場で予約してもらうというわけにはいきません。TripAdvisorとかExpediaといったOTA(Online Travel Agency)から予約してもらうのが一般的です。

自社サイトは、その段階に至る前に「ここはどんなホテルなのか」をお客さまに知っていただくためにあり、リンク先もここになります。

このホテルにはすでに自社サイトに英文ページがありました。冬になるとアルバイトしてくれる留学生がアルバイト期間中に作成したものですが、これが致命的でした。日本語版のウェブページを翻訳しただけのものだったからです。

日本語のウェブサイトは、はじめからこのスキー場、もしくは近隣のスキー場に行くという気分が固まっていて「じゃあ、どんな宿があるのかな」と決めるためのウェブサイトでした。

たとえば「じゃらん」のスキー特設サイト https://www.jalan.net/theme/ski/ に行って「北海道にしようかな、上越もいいな」と思ってエリアを決め、「じゃあ、上越にしよう」と決めてから、良いと思った宿の確認のためのページなのでした。

「じゃらん」のスキー特設ページから

(じゃらん スキー・ページ)

日本向けにはこれでも良いのかもしれないけれど、海外からわざわざ来てくれるお客さまの需要は全くこれでは満たされません。

「ヨーロッパ・アルプスのスキー場はあこがれだな、でもカナディアン・ロッキーもいいな」と思ってインターネット上で行き先を探すわけです。

そのためには、自分のホテルのアピールの前に
「このスキー場自体に魅力があふれていること」
「アクセスも悪くないこと」
をアピールする必要があるのです。でも日本向けのウェブサイトにはこんなことは必要ないので、日本語版を翻訳した英語版ウェブサイトにはこういう要素が全くありませんでした。この機に、このようなコンテンツをプラスすることにしました。

さらに日本語版のウェブサイトには記載がなかった、このホテルの特徴の説明の、こういうコンテンツもプラスしてもらいました。

「ベッドの部屋もあるけど、畳の部屋もあり、日本の文化も楽しめること」
「西洋にはない大浴場があること」
「日本の食事も楽しめるけど西洋スタイルの食事も楽しめること」。

さらに
「近隣には日本独自の『居酒屋』もあって夕食後も楽しめること」とか
「近隣の温泉までクルマで1時間」という、近隣情報も追加しました。

コンテンツの追加とともに新たなサービスも思いついた

ここで大活躍してくれたのが冬になるとアルバイトに来てくれる留学生とその仲間たちでした。

彼らのアイデアで、

  • 駅からの送迎バスが動かない昼間に、近隣の温泉に無料送迎バスを往復させる
  • 雪でスキーができない日には、ホテルの従業員による「折り紙体験」ができる

というサービスも増えました。

onsen」は人気の検索ワードなのですが、残念ながらこのホテルには温泉がありません。そこで、温泉無料送迎バスを出すことにしたのです。

また、「日本文化が楽しめる」と言う割に内容は「畳の部屋がある」しかないじゃないか、というアルバイトの声から「折り紙教室」のアイデアが生まれました。

広告を配信する国を絞り込んだ

さて、受けるウェブサイトも完成してきたので、いよいよ広告を始めます。

クライアントの配信先のイメージは「英語圏」。じつに漠然としています。英語圏といえばイギリスもアメリカもインドだって「英語圏」です。こんなに広い範囲に広告を配信していたら、あっという間に予算を使い果たしてしまいます。これまでのお客さまのパスポートは全部拝見していましたから、出身国の分析からアメリカ、オーストラリア、インドネシアの3か国に絞りました。インドネシアの公用語は英語でないので「英語圏」とはいい難いのですが、これまでインドネシアから来られたお客さまで英語でコミュニケーションしてトラブルが起こったことは一度もなかったので、すんなりとインドネシアも英語の配信でオッケーになりました。

クライアントからは「中国語のできるスタッフはいないから、中国語しかできない人が来られても困るなぁ」と言われましたが大丈夫。中国本土にはGoogle広告は届きません。

キーワードをあげられる限りあげた

さて、その次は広告に紐付けるキーワードです。検索画面に表示される広告ならそのキーワードで検索したとき、またはGoogleから広告配信を受けているページのうち、このキーワードに関連するページに広告が表示されます。
このキーワードはリンク先のウェブページとぴったりしていなければなりません。ですからまずは完成したウェブサイトに印象的に使われているキーワードを抽出します。これで足りなければアピールするべきキーワードがウェブサイトで効果的に説明できていないことになります。この作業を繰り返しながら、キーワードを選び、これに合わせた広告文を作成しました。

アピール・ポイントは

  • パウダー・スノーのスキー場。世界有数の雪質を誇る。
  • 日本風の部屋(畳敷きの部屋のこと)に泊まることもできるし、日本食も食べられてエキゾチック体験ができる。
  • ホテルには英語のできるスタッフがいて、フレンドリーに対応できる。
  • スキーをしない日には温泉にも行ける。

という点をキーワードに落とし込んでいったのです。

この作業をしながら危惧されたのが、このスキー場の世界的な知名度でした。日本国内では問題ないかも知れないけれど、世界中のスキー/スノーボード・ファンに知られている名前ではありません。そこで、ちょっとずるいのですが、そう遠くないところにあるオリンピックの開催地の名前をキーワードにしました。ピョンチャンとかソチとか、どこにあるのかわかっていないけれど名前は知ってはいますよね? 同じ都道府県内の都市なので、ちゃっかり使わせてもらいました。

毎週手直しをしていった

修正を繰り返しました

ここまででも大変でしたけれど、インターネット広告は配信が始まってからが勝負です。

Google広告の管理画面はクライアントの担当者と共有し、共通で見られるようにしました。一方、TripAdvisorなどのOTAの画面は共有できないということで、どのくらいの申込みがあったかは毎日レポートしてもらいました。

広告の管理画面を毎日見ていると不安になるようです。毎日のように「ここはこうした方がいいんじゃないか」「ここを変えたい」と連絡が来るのですが、毎日のように修正を加えていては、成功した時にどの要素を変えたらうまくいくようになったのかがわからないので「1週間はこのままいかせてください」と、初期には何度言ったことか。

順調に予約が入り始めるとこのような声もどんどんなくなっていきました。
そうは言っても毎週毎週、何かの手直しはしていきました。

ウェブサイトの表現を変えたり、いい写真がなかなかなくて「とりあえず」で掲載していた写真を差し替えたり、ページの中のキーワードの位置を変更したり、広告文を変えたり、広告ターゲットをいじったり……。

副次効果として現れたのは、広告を配信していない他の国からのアクセスが増えたことです。たとえばインド。結局このシーズンはインドからのスキー客を迎える事はありませんでしたが、翌年2組のお客さまをインドから迎えることができました。

このシーズン、このホテルは海外からの売上数千万円を達成しました。宿泊客の6割以上が海外からのお客さまになりました。予算100万円が大化けした、スーパーな事例です。

その後

余談です。

この秋、日本人向けのスキー客の予約がスタートした頃、このスキー場のホテルや旅館の人々がザワッとしました。予約シーズンが始まったばかりなのに、我々のクライアントのホテルは空室が少ないのです。「もう閉館するから予約を絞っているんじゃないか」とか「大きな会社の独占予約が入ったのだ」とかのあらぬ噂も飛んだようです。

しかし、シーズンが始まってみるとクライアントのホテルのお客さまは外国の人が6割以上。これでビックリしたのは他のホテルや旅館の人たち。翌年からは、このホテルだけでなくて、このスキー場全体でインターネット広告に真剣に取り組むようになりました。

 

ポイントを押さえて、ネット広告で成功しましょう

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